名句うがち読み 第4回 鈴木牛後

2016.12.05.Mon.08:52
箱

行く春のいつか何かに使ふ箱 鈴木牛後

『根雪と記す』 平成26年より

かわいい箱、きれいな箱、あるいは丈夫な箱を取っておいたり、つい集めたままにしておくというのは多いに理解できるしほほえましく感じる。そしてそれを詩に出来るのが作者の魅力である。「行く春の」という季語の斡旋も味がある。作者は北海道在住、さらには酪農家であるから、千葉の平凡な私とは違う春がありその惜しみ方も異なると思う。炬燵を塞ぐのも厚手の布団を仕舞うのも遅いのに加え仕事の忙しさから、ふと捨てずにいた箱への気づくのも早春などではなく「行く春」と共にようやく訪れるのではと推察する次第である。
掲句以外にも好きな句としては

家族より歯ブラシ多し夏の果
満月や牛の数だけある怖れ
根雪と記し農作業日誌閉づ


などたくさん。

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