名句うがち読み 第5回 川端茅舎

2016.12.07.Wed.01:37
露
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白露に金銀の蝿とびにけり 川端茅舎

『川端茅舎句集』昭和9年より

「露の茅舎」の名に違わず<白露に鏡のごとき御空かな><金剛の露ひとつぶや石の上>など数多くの露の名句を詠んだ作者。掲句はその中では異色。のちに高浜虚子から「花鳥諷詠真骨頂漢」の賛辞を受けた程の写生の名手にとって「金銀の蝿」は観念的なきらいがある。
補陀落に憧れかつキリスト教にも造詣の深かった作者。幸せとは言えぬ生い立ち、画業の挫折と病。儚き露に群がるのは作者の見果てぬ夢であるかもしれないし、観音菩薩やイエスへの信仰心かもしれない。それが金銀の光を放ちながらも美しい蝶や小鳥でなく蝿だというのは句としては成功しているが皮肉めいていて哀しい。


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