名句うがち読み 第10回 喪字男

2016.12.17.Sat.02:18

長き夜のダース・ベイダー卿の息 喪字男

前回の対馬句の覇者論で掲句を思い出した。秋の夜長と冬の日短は表裏一体の季語であるし是非対で紹介したくなった。ダース・ベイダー卿は名作スターウォーズシリーズに君臨するアンチヒーロー。己に負けて悪となり宇宙制服の覇道を突き進む。そんな覇者にも平等に秋の夜は長い。悲哀や心の痛み、捨てたはずのものが去来する。あの呼吸音をさせながら。我々が観たり読んだりする覇者の栄枯盛衰はあっという間だが当人には長く苦悩の日々なのかもしれない。
長き夜という典雅な季語とフィクションではありながら有名人のダース・ベイダー卿との取り合わせが絶妙。我々が呼び捨てにしがちなこの悪役に「卿」をつけるこだわりも作者らしい。そして見た目の面白さにとらわれて作者の既存俳句への挑戦を見逃すなかれ。
他に作者の句として

対UFO秘密兵器として水母
てふてふと扶養家族の欄に書く
夜桜が下剤のやうに効いてゐる


など。

参加しました。応援して頂ける方1日1回ぽちっとな♪


コメント
祝!鑑賞10回
探花さん、10回達成、おめでとう!

この喪字男さん、すご~く気になります!

こういう句が大好物なので。

読者の想像力が全開にならざるをえないように作ってますね。

夜桜が下剤のやうに効いてゐる

どう想像をたくましくしても「?」だけど、「おもしろ~い!」
比々きさん
ありがとうございます!鑑賞文を書くことに出会えたのも比々きさんのおかげです!
喪字男さんは数年前までツイッターなされていたのですが、いまはブログ「独居房」メインです。
夜桜句、気になりますよね。感覚的にはうんうん、よく分かるのですが、鑑賞しろと言われると…。面白さの先に作者の目指す俳句が見えて来る気がします。

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